「面白い恋人」
Category : 知的財産法うぉっち
Published by M-naka on 2011/12/10
白い恋人の話。
個人的には「ないわー」と思った。

奇しくも北海道出張で白い恋人を買ってきて職場にばら撒いたその日に提訴。
報道を見る限りでは、吉本に勝ち目はなさそう。


1.「面白い恋人」の商標登録出願したが、「白い恋人」が先行商標に当たったため、登録が認められなかった。

2.実際に白い恋人と混同して買ってしまった、という苦情が複数存在。


並の法務部門なら「1.」の時点で「こりゃヤバイ」と事業計画自体の見直しを行うはずなんだが……。主事業との関係でライセンス関係には強そうな企業イメージがあるんだけど、実際は違うのかもしれない。

吉本側は「パロディ」という主張をしているようだが、指定商品・役務が丸被り……というか、ほぼイコールの商品を出していて、かつ相手が商標登録までしている、となれば、「パロディ」で通るならそもそも登録商標自体の意味がなくなってしまう。それに気づかず今に至っているなら、コンプライアンス上失策であるとしか言えない。

石屋製菓のプレスリリースによると、

> 当初は大阪の限られた店舗で、一時的に販売されているものと
> 理解し、静観しておりましたが、その後、徐々に販売網を拡げ、
> 近畿圏に限らず広い範囲で常設販売されるようになりました。

ということなので、ある程度はスルーしていた模様。まぁ販売網が広がってくれば黙っちゃいられないのはその通りだろう。吉本は「売れるから販路拡大」したのだろうが、それで潜在リスクが顕在化した、ということか。

やるのであれば、きちんとライセンス契約を結び、コラボレーション商品として売り出すべきだった。


ちなみに類似商品は他にもいろいろあるんだろうけど、訴えるか訴えないかはあくまでも権利元の判断に基づく。この一件でびびってライセンス契約の申し出をしてくるところがあるかもしれない。