Express5800/GT110b導入
Category : サーバ管理日記
Published by M-naka on 2010/8/1
現行Amatsuがもうすぐ稼動4年を迎える。
特に故障や動作不良等は起きていないが、そろそろ更新の頃合。選んだのはこれ。

NEC Express5800/GT110b

現行ExcaliburがExpress5800/110Geで、その後継の後継(間に『GT110a』がある)。相変わらずのOSレスモデルだが、

・Intel-VT対応デュアルコアCeleron搭載
・160GB HDD + 1GB Memory(ECC)


と、やや目にゴージャス仕様になっている。これで\16,800なのだから、イチからサーバ機を組むのはもうコスト的に合わない。

Intel-VT対応なので、メモリとHDDの増設だけでも仮想化機能も含めて問題なく使えそうだが、このCeleronはECC対応メモリでしか動作しない。あとデュアルコアで現行Excaliburのクアッドコア(Core2Quad)からするとちょっと見劣りする。Core2Quadに対応する現行のPC用CPUではCore iシリーズがあるが、以前に比べてXeonの価格がこなれたので、動作実績からNon-ECCメモリで動作するXeonと交換することにした。

スペックはこんな感じ。


ホスト名:Aegis.mythril.ne.jp
ベースモデル:NEC Express5800/GT110b \16,800
CPU:Intel Xeon L3426(クアッドコア、Hyper-Threading、VT-d) \29,980
メモリ:Silicon Power製、2GB*2=4GB \7,870
HDD:WesternDigital 2TB*2をSoftwareRAID-1 \8,780*2
Graphic:玄人志向 RH4350-LE256HD/HS2 \2,980
TV-Capture:EarthSoft PT2 \16,800


CPUが一番高いのはご愛嬌である。
クアッドコアのHyper-Threading対応なので論理コアは最大8コア。擬似オクタコアである。

メモリはあと4GB増設予定。円高傾向が進んでいるから、もうちょい待てばもうちょい値下がったものが出回りそうな気がするので。TV録画機能は地デジ対応で別途PT2を事前に買ってあったのでこれを装着。現時点で9万円ちょい。メモリ買い足して10万円というところか。

オンボードでサーバ用のグラフィック機能があるのに、わざわざグラフィックボードを挿したのは、仮想環境で動かすWindows7-EnterpriseにPCIパススルーでバインドさせようと考えたから。これは「Adobe Flash Player対策」のつもりだったのだが、結局は不要で、そのままCentOSに使わせることにした(後述)。

しかしXeon L3426を置いている店が少なくて困った。秋葉原に行って探したが、メジャーな店はほとんど置いておらず、回った20店舗のうちではわずか数軒でしか扱っていなかった。まぁサーバCPUだしな……。仕方がない。通販でもあまり置いておらず、値段もあまり変わらないので、そう一般売れする製品ではないということか。

OSはCentOS5.5(x86_64)で、仮想化環境はKVM(Kernel-based Virtual Machine)で構築する。直接はAmatsuの後継機用途だが、仮想マシンを順次KVM化していく。

とりあえず、WindowsXP-Pro(SP3)と、Windows7 EnterpriseをKVM上でクリーンインストール、シンクライアント……というか、イマドキちっくに言うとVDI(Virtual Desktop Infrastructure)環境を構築してみた。Amatsu環境とExcalibur環境との差がいくつか確認できる。

1)とにかく速い
 べらぼうにスペックアップしているわけではないのだが、起動や動作はやはり速い。

2)Adobe Flashでコケない
 AmatsuとExcaliburの完全仮想化環境はXenで、Qemuを使用しているのは同じ。で、Xen環境化ではブラウザのAdobe Flash Playerがマトモに動作しなかった。Flashの埋め込まれたサイトを開くと、高確率でブラウザが落ちてしまう。そのため、Flashを切って使っていた。仮想グラフィック機能が「Cirrus Logic GD 5446」でVRAMが4MBという状況だったので、グラフィックメモリの貧弱さを原因と疑い、玄人志向のRADEON4350ボードを載せたのだが……。Aegis上では同一の「Cirrus Logic GD 5446」でありつつ、何故かAdobe Flash Playerが問題なく動作する。YouTubeなど、Flashバリバリのページも問題なく見れる。恐ろしく不思議だが、まぁ結果オーライではある。


グラフィック機能……というか、Adobe Flash Playerの件は、SPICEプロトコル+qxlドライバー(論理GPU)で何とかする、ということも考えていたのだが、「そのために」そこまではやらなくて良さそうだ。ちなみにqxlドライバーはVRAM量を指定できたりするので、この先が楽しみである。

ちなみに玄人志向の「RH4350-LE256HD/HS2」はHDMIサウンド機能を搭載しており、HDMI接続時に限定はされるものの、これ1枚(PCI-Express 2.0 x16)でサウンド機能も賄えている。GT110bはサウンド機能がないので、これは好都合。


詳細はこれからだが、予定しているAegis.mythril.ne.jpの用途は以下。
外向きの仮想サーバ「Gungnir」は影響を受けずに済む。

・地テジ録画
・外向きの仮想サーバ「Gungnir」をExcaliburから移行、KVM化
・ファイルサーバ
・VDI