※検索エンジンから直アクセスの方は以下もどうぞ。本記事はIEEE802.11b対応なのでちょっと古いです。
IEEE802.11g(madwifi)でのアクセスポイント構築:
無線LANアクセスポイント化【7】 無線LANアクセスポイント化【8】----------
8月6日は全社休業日なので、金・土・日と3連休。
ホントはこの休みに併せて夏期休暇を取りたかったのだが、仕事の都合上無理。なのでちょっと手の込んだ作業をしてみた。Amatsuの無線LANアクセスポイント化である。
通常、無線LANアクセスポイントは「買う」ものであって「作る」ものではない……のだが、特定のコントロールチップの載った無線LANカードをLinuxマシンに実装し、ドライバとソフトウェアを入れて設定すれば「作れて」しまうのである。
1.パーツ選定
猛暑の下、秋葉原に探しに行った。
まずはAmatsuにPCカードスロットを付加するPCIボードから。Amatsuはミドルタワー機なので、PCI無線LANボードという選択肢もあるのだが、この手合いは種類が少ない上に高価なのが難点。搭載チップ(後述)のことも考えるとちょっと手が出ない。反面、PCカードならば種類が豊富で値段も安い。また、将来的なアップグレードパスの点でもPCカードスロットボード+PCカードの方が有利と判断した。
あまり種類が多くはないが、全てRICOHのコントロールチップを搭載しており、これがLinux稼動実績を持つチップであったので、価格の最も安いものをチョイス。
・MVK MV-PCA
PCカードスロットボード(CardBus対応)、4,074円(税込)。
次に無線LANカード。アクセスポイント機能を実現できるチップは「Prism」というチップ。これが載ったカードを探すのだが、パッケージに搭載チップを記載した商品が殆ど無い。予めインターネットで調べておくくらいしか対応策が無いのだが、運良くCoregaのアウトレット特価品を見つけることができた。
・Corega PCCL-11
Prism3チップ搭載のIEEE802.11b対応PCカード。1,980円。
2.PCカードスロットの実装
PCカードスロットボードをPCIスロットに取り付け、無線LANカードをPCカードスロットに挿入。Fedoraを起動。lspciでの出力から、RICOHのコントロールチップは認識していることが判るが、動作していないようだ。PCMCIAサービスは起動しているのに。
いろいろ調べたところ、/etc/sysconfig/pcmciaの記述が原因であることが判明。以下の記述になるようにファイルを修正。
PCMCIA=yes
PCIC=i82365
PCMCIAサービスを再起動させると、PCカードスロットが使えるようになった。
3.無線LANカードの実装
以下の記述を持つ*.conf(名前は任意)を/etc/pcmcia/以下に置く。
card "corega PCCL-11"
version "corega", "WL PCCL-11", "ISL37300P", "RevA"
manfid 0xc00f, 0x0000
bind "orinoco_cs"
PCMCIAサービスの再起動で無線LANカードの動作することを確認。ドライバ「orinoco_cs」はカーネルモジュールとして作成済みのものがそのまま使用されている。このドライバはインフラストラクチャモードでの動作を確認するためにとりあえず指定しただけで、
アクセスポイント用ドライバは別である。
ネットワーク設定は以下の通り。
・/etc/sysconfig/network-script/ifcfg-wlan0
# Corega PCCL-11(HostAP Mode)
DEVICE=wlan0
ONBOOT=yes
BOOTPROTO=static
IPADDR=xxx.xxx.xxx.xxx
NETMASK=xxx.xxx.xxx.xxx
GATEWAY=192.168.1.120
HWADDR=xx.xx.xx.xx.xx.xx
以下は次回。