見出しは著作物には当たらないそうである。さっと判決速報を読んでみた。
著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(著作権法2条1項)」を指す。活字媒体だと最小が5-7-5の俳句だったっけ。
本件は典型的なフリーライドの事案。読売新聞の言い分は法律論を別にすれば理解はできる。だが、現行の著作権法で対抗できるか、というと話は別。フリーライド即違法ではないし。見出しに商品価値が認められることと、見出しに著作物性が認められるか、ということは全く別の次元の話である。
仮に見出し自体に著作物性が認められるとなると、影響範囲が非常に広範になる。言い出しっぺの読売新聞も著作権侵害で訴えられる可能性が今よりも桁違いに高くなる。いわば「諸刃の剣」。これは被告の主張でも述べられているが、妥当な主張である。同様の理由でありふれた表現にも著作物性は認められない。つーかんなことくらいで認められたら世の中大変である。
原告と被告の主張の概要をさらっと読んでみたが、被告の主張が非常に素直な一方、原告の主張の苦しさというか無理っぽさというか、そんな感じが目立つ気がした。データベースの著作物性を持ち出してきてるけど、あれってデータベースを編集著作物として認めた、って話じゃなかったっけ。配置とかに編集者の個性が出るってやつで。文章の短さ+一般性 vs 著作物性な話とはチト違うと思う。見出しじゃ言葉の選択とその配置に自ずと限界あるしねぇ。
むしろasahi.comのように自社でRSS配信とかやっちゃった方がいいんじゃないかなぁ。ウチのサイトもRSS配信使ってるけど、これって被告サービスと真正面からバッティングするから。RSS利用を著作権法の側面から容認する、という意味ではブロガーにとってプラスな判決であるといえる。